40代後半の会社員Aさんは、半年ほど前に妻を亡くしました。Aさんは年収1000万円と高収入でしたが、妻の死後、家計は窮地に立たされてしまいました。その理由とは?(ファイナンシャルプランナー 坂本綾子)
年収1000万円超の夫が
苦境に立たされたワケ
夫は高収入の会社員で妻は専業主婦という家庭の場合、夫にはしっかりと保険を掛けても、妻が生命保険に入るなんて考えたこともない夫婦が多いのではないでしょうか。数年前に会ったAさんもそうでした。
「どうにも身動きがとれないのです」といって憔悴(しょうすい)した表情で訪ねてきたAさんは40代後半の会社員で、年収は1000万円を超えていました。子どもは2人。長男は中学受験を終えて、進学先で新しい生活が始まったばかりで、小学4年生の長女も習い事や塾に通っています。
そのため、Aさんが万一の時は数千万円の死亡保険金が入る保険に加入しています。住宅ローンを抱えていますが、団体信用生命保険が付いていますから、Aさんが亡くなっても家族は住み続けることができます。公的年金からは遺族年金も支給されます。リスク管理は万全のはずでした。
ところが、半年前に妻を突然、病気で亡くしてから生活と家計が一変してしまったのです。