現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
20万部を突破したベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。
ひろゆき VS 編集者
――僕(インタビュアー:種岡)は『1%の努力』という本を編集したんですが、ひろゆきさんって、よく自己啓発書を否定していますよね?
ひろゆき氏:はい。必要ないと思っているので。「どんな本を読んだらいい?」と聞かれたら、すかさず「本を読むくらいなら寝たほうがいい」と言っています。
――それって、あなたの感想ですよね?
ひろゆき氏:まあ(笑)。僕も自己啓発書を出しているので、自分で否定するのもなんなんですが……。少なくとも僕にとっては「役に立たない」と思っているんです。僕のまわりの成功者で、「自己啓発書を読んでます!」っていう人も見たことがありません。
――言わないだけかもしれませんよね?
ひろゆき氏:隠れてコッソリ読んでる可能性はありますよね。ただ、人生が変わるほど大きなきっかけになったと思うんなら、「これ読んでみて!」って勧めると思いますけどね。
逆に、種岡さんはなぜ役に立たないものを作っているんですか?
――「役に立つ」というところがズレていると思うんですが。別に役に立たなくていいと思いますよ。ひろゆきさんは役に立つと思って映画を見たりゲームしたりしていますか?
ひろゆき氏:いや、たんなるヒマつぶしですけど。
――本だってヒマつぶしでいいじゃないですか。
ひろゆき氏:それだったら、小説とかマンガとかエンタメ要素の強いものを読んだほうがいいじゃないですか。わざわざ自己啓発書を選ぶ必要がない。
――自己啓発書を読むと、気分が上がりますよね。テンションが上がるというべきか……。それって、元気になる曲を聴いたり、アクション映画を見てスッキリする感覚と近いと思います。そういう瞬間を味わうことも、必要な人には必要ですよ?
ひろゆき氏:へー。そんな人もいるんですね。じゃあ、栄養ドリンクみたいに一瞬だけテンションが上がるためだと割り切って読めばいいんじゃないですかね。
「必要な人には必要」ってことで……
ひろゆき氏:ちなみに、僕は音楽を聴かないんですよ。聴いても情報が少ないので繰り返し聴こうと思ったことがない。映画も、ストーリーの展開を楽しむだけで、主人公に感情移入したりしないタイプです。好きな映画を何度も見返す人っているじゃないですか。あの行為がまったくわからない。
――そういう人には、本は必要ないのかもしれませんね……。
ひろゆき氏:結局、好き嫌いの話と同じですよね。「趣味」の話ですから、この場で「肉と魚はどちらを食べるべきか」って議論しても意味ないのと一緒です。
僕にとって自己啓発書は必要のないもので、そして必要な人もいるみたいなので、その人に向けて本を届けている。結論はそれでいいんじゃないでしょうか。
――じゃあ、本を買う人をあんまり否定しないようにしてください(笑)。
ひろゆき氏:はいはい(笑)。できるだけ気をつけます、すみませーん。
映画もゲームも本も、すべてはヒマつぶしですからね。人生だって一生かけたヒマつぶしです。だから、僕の本もぜひ、いいヒマつぶしとして読んでみてください。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、20万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。