米長期債を買い急ぐ動きがここにきて目立ってきた。背景には、インフレ高進を懸念する米連邦準備制度理事会(FRB)が早期の対応に踏みきり、成長鈍化や長期金利の低下につながるとの読みがある。ここ数日の米国債相場では、先週の連邦公開市場委員会(FOMC)を受けた金利先高観を反映し、短期債の利回りが上昇(価格は下落)。一方で、長期債の利回りは低下した。目先の金利上昇が景気回復を鈍らせ、長期的には金利が低下するとの観測が広がっているためだ。これを受け、米国債相場では利回りカーブのフラット化が進んでいる(ただ、21日の市場ではこの流れがわずかに反転した)。仏資産運用会社アムンディ(ロンドン支店)のローレン・クロスニエ最高投資責任者(CIO)は「(利回りカーブの)フラット化が著しく進行している。市場にとっては極めて厳しい動きだ」と話す。