Photo:PIXTA
地方銀行全96行の2025年度第3四半期(10~12月期)決算では、高市政権発足後の金利急騰を受け、地銀が抱える国債の含み損が大きく膨らんでいることが分かった。そこで長期連載『金融インサイド』内の特集『高市政権後の金利急騰で緊急点検!地銀決算ランキング』では複数回にわたり、地銀の25年度第3四半期決算を詳細に検証するランキングを配信していく。第3回の本稿では、本業の稼ぐ力に対してどれだけの含み損益を抱えているかを示す「益出し余力」の地銀ワーストランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部 永吉泰貴)
歴史的株高でも“貧乏地銀”は多い
国内金利の急上昇に苦しむ地銀は?
急激な市況変化は、時に地方銀行の決算を直撃する。
2021~22年に地銀を直撃したのが、海外金利の急騰だった。低金利の円債では利息収入を確保しにくく、より利回りの高い外債へ資金を振り向けたが、想定以上の急ピッチな利上げで長期金利が跳ね上がり、含み損が膨らんだ。当時、公的資金の注入を申請した山形県のきらやか銀行も、外債の売却損が業績低迷の一因となっていた。
そして国内金利が急騰している今、一部の地銀は国内債でも同様のリスクに直面しつつある。
高市政権が発足した25年10月21日時点で国内長期金利は1.66%。それが第3四半期末の12月末には2.06%まで上昇し、2カ月強で0.4%ポイント急騰した。
一方、日経平均株価は4万4550円(10月1日)から5万0339円(12月末)へ上昇。地銀全体では債券の含み損が拡大した一方、株式の含み益がクッションとなり、有価証券全体の含み損益はむしろ改善した。
つまり、仮に今回の金利上昇で国債の含み損が膨らんでいても、株式の評価益が厚ければ金利急騰による悪影響は表面化しにくい。逆に有価証券全体でも含み損の状態で、株式の評価益が小さく、さらに本業の稼ぐ力も十分ではない地銀は、金利上昇による債券含み損の拡大が直撃しやすい。
こうした耐性を測る指標の一つが、益出し余力だ。保有する有価証券評価損益をコア業務純益で割り、本業の稼ぐ力に対して含み益や含み損がどれほどの規模かを示す。
益出し余力が大きいほど、売却益を計上できる有価証券が潤沢であることを示す。逆にマイナスが大きいほど、その地銀にとって過大な含み損を抱えている可能性が高いことを意味する。
そこで、25年度第3四半期に開示データのある地銀93行を対象に益出し余力を算出した。次ページでは益出し余力のワーストランキングを公開し、金利上昇が続いた場合に自力で“含み損地獄”から脱却するハードルが高い地銀を明らかにする。







