日課の飲酒も激減
Mさんの「その後」

 治療は医師の指導に従い、発作の痛みがなくなってから投薬を始める。医師からは初診の段階で節酒を勧められていた。酒好きのMさんは1人でも休肝日なしで毎日飲酒していたが、あの地獄はもう二度と味わいたくない……と、痛みの恐怖心に身震いし発作から3週間ほどアルコールは飲めなくなった。

 発作から1カ月後、尿酸値は4.4mg/dLへ半減。その後も1カ月ごとに定期検査しているが4台前半を維持している。たまにちょっとしたぶり返しの痛みがあるが、尿酸値が低下したことで少しずつ関節内の結晶が溶けている現象で想定内らしい。

 Mさんはコロナ前まで週1~2くらいで飲む機会があったが、緊急事態宣言で、月1くらいに激減。そんなMさんは、これまで自分をちょっとしたアルコール依存症だと思っていたが、1カ月間、1滴もアルコールを飲まなくても平気だったのは意外な発見だったそうだ。

 加えて今年は、飲食店でのアルコール提供を制限する前代未聞の“禁酒令”が発動された。痛風発作前だったら発狂する日々だったかもしれないが、意外と涼しい顔で乗り切っている。痛風が慢性化する恐怖に比べれば……とはMさんの弁。