6月15日、ニューヨーク市の上空に花火が打ち上げられた。ニューヨーク州の成人の70%が少なくとも1回の新型コロナウイルスワクチン接種を受けたと米疾病対策センター(CDC)が発表したためだ。だが世界の多くの地域は、さまざまな理由により祝賀ムードには程遠い。ワクチンの普及状況の違いや、何をもって成功とするかが世界各地で異なることの影響は、何年も続く可能性がある。その結果、世界経済の回復はこれまでよりも予測しづらくなり、地域ごとのばらつきも大きくなるだろう。非常に長い目で見た場合でも、各国が到達できるワクチン接種率の高低と使用するワクチンの違いは、世界中の金融・経済状況に長期的な影響をもたらすかもしれない。ワクチン接種率が低い国は、新型コロナウイルスの感染を大方根絶することよりも、ウイルスとの共生を目指す必要がありそうだ。米国でも大部分の地域がこの現実に直面する可能性がある。