中国指導部は自国の勇ましい「戦狼外交」を控えようと努めている。事情に詳しい関係者によると、そうした外交アプローチが国益を損ない始めているとの懸念が背景にある。だが、押し寄せる愛国主義の波でその取り組みが阻まれているという。中国共産党が今週、創設100周年を迎える中、愛国主義は熱を帯びる一方だ。映画「ランボー」のようなヒーローが米国に雇われた部隊と闘うという、愛国的な中国映画シリーズにちなんで名付けられた「戦狼」の精神は、それまで口数の少なかった中国外交官の間でトランプ政権時代に広がった。中国政府は当時、欧米による対中攻撃とみなす政策に対抗。中国の新たなアプローチは大半がツイッターで展開され、外交官たちが米国を標的にした痛烈な批判や脅迫、陰謀論などをひっきりなしに投稿した。