写真:ビッグデータ,仮想通貨写真はイメージです Photo:PIXTA

マネーのデータは強力
国家間の情報戦は新段階に

 米中間の経済対立が激化している。それがデータの領域にも及んできた。

 中国は6月に「データ安全法」を成立させ、データの国外持ち出しを規制しようとしている。2017年に施行された「サイバーセキュリティ法」(インターネット安全法)、審議中の「個人情報保護法」と合わせて、データ管理の体制が整備され、輸出規制がデータにも適用されることになる。

 国家間の情報戦は歴史の古い時点から繰り広げられてきたが、いま問題になっているのはビッグデータだ。その意味で古典的な情報戦とは性質が異なる。

 ビックデータはAI(人工知能)の能力を高めるカギであり、AIは国の競争力を決める。したがって、データをどれだけ集められるかが国の将来を決める。中国がデータの国外持ち出しに神経をとがらせるのは当然のことだ。

 とりわけデータの中でもマネーの送金に関わるデータは極めて強力だ。米中間でもマネーのデータをめぐる攻防になるだろう。