現在、テレビやYouTubeで圧倒的な人気を集める、ひろゆき氏。
24万部の大ヒットを記録しているベストセラー『1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして、いかに彼が今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。
「お金や時間」以外の「ある概念」
――誰もが「いい人」を演じて疲れることがあると思うんですが、ひろゆきさんはないですよね?
ひろゆき氏:ないですね(笑)。だって、「いい人」でい続けることは不可能なんですよ。どうしても助けたいパートナーとか、親友1人に対してなら、いい人を続けることはできるかもしれません。
でも、それが不特定多数になると絶対に無理です。フラットに付き合えることがその人のよさのように語られることがありますが、それは、全員に対してフラットに「どうでもいい」と思えている人の境地なんですよね。
――疲れている人がラクになれる言葉ってないですかね?
ひろゆき氏:そうですね。「心のゆとりは『有限』です!」という言葉でしょうかね。お金とか時間って、有限じゃないですか。パートナーから「お金貸して」「相談にのって」と言われたら、限られたお金や時間からやりくりすると思います。
でも、じつは「心のゆとり」も有限なんですよね。それはつまり、自分にゆとりがないときは、いくらお金や時間があったとしても、相手を優先させられないからです。仕事で超重要なプロジェクトにかかりきりだったり、体調を崩して24時間しんどいときって、「心のゆとり」がなくなりますよね。
そういうタイミングに、「相談にのって」と言われても「後にしてよ」って思うことでしょう。あと、心のゆとりがない人は、「募金しよう」「寄付しよう」「人にいいことしよう」とも1秒も思わなくなるじゃないですか。
人を助けたくなる瞬間
――たしかに、そうですね……。心のゆとりは大事ですね。
ひろゆき氏:だから、最初から「いい人」でいることは諦めるべきですね。人のために尽くしてボロボロになることに生きる価値を見出せるのなら別ですけどね。でも、そういう人はそもそも「ラクになれる言葉」なんて求めていませんから。
――いい人になる瞬間ってないですか?
ひろゆき氏:自分の中で重要な仕事が終わって、お金もそこそこ余っているときってあると思うんです。そういうときに、タイミングよく困っているパートナーや友人がいるとしたら、そこで初めて助けてあげるべきですよね。
できれば、お金を使わずに、相談に乗ったり、時間をかけるような助け方のほうがよいでしょうけどね。簡単にお金を援助したら、依存してくる可能性がありますから。
でも、そうやって、心のゆとりがあるときだけにすれば、いろいろなことが整理されてラクになると思いますよ。できるだけしんどい仕事は避けるようになると思いますし、貯金をしておこうと思えるでしょうし。「心のゆとりは有限」という言葉はわりと便利ですよね。
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、24万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。