ランサムウエア(身代金要求ウイルス)とビットコインの関係は、米内国歳入庁(IRS)とドルの関係に似ている。米国の税金をドルで支払うようIRSが決めているのと同様に、電子的手段を通じた身代金要求は、暗号資産(仮想通貨)のビットコインでやり取りするのが決まりであるため、企業や個人、一部の政府までもが、自身のコンピューターシステムの支配権を取り戻すためにはビットコインを使わざるを得ない。もしそれが奇妙だと思うならば、しばらくお付き合い願いたい。詳しく説明する前に、お金の理論をざっと確認する必要がある。最も多くの人に認められている考え方は、人類の祖先が豚やラマ、果実などを物々交換する際、あまりにも不便だったからお金が誕生したというものだ。自分のラマを、広く受け入れられるもの(子安貝の殻、羽毛の襟巻き、彫刻した石など)と交換し、それらを再び穀物に取り換える方が、たまたまラマを欲しがっている穀物の持ち主を探すよりもはるかに簡単だ。
身代金ウイルス、ビットコインに果たす役割は
他に選択肢がなければ、ビットコインを決済に使うのが不便でもあまり問題ではない
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