人生100年時代、忙しい毎日を「自分らしい毎日」に変える習慣夫婦は「家族会社」の共同経営者だ。良好な関係を維持するためにも、お互いのキャリア構築のタイミングを長期的な視点で話し合い、役割をどう担っていくかを調整する必要がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

レビュー

「ライフシフト」という言葉は、最近日本でもよく聞かれるようになった。2016年、『ライフ・シフト』(リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著)の出版によって広く知られることとなったこの言葉は、人生100年時代の到来を告げるとともに、一人ひとりの生き方に変化を起こす必要があると説き、社会にインパクトを与えた。

『ワーママはるのライフシフト習慣術』書影『ワーママはるのライフシフト習慣術』 尾石 晴(ワーママはる)著 フォレスト出版刊 1650円(税込)

 著者、尾石晴(ワーママはる)氏もまた、その理論に影響された一人で、日本においてどのようにライフシフトを実現できるか、試行錯誤を重ねてきた。そうして培ってきた経験や知識、知恵を体系化し、「これからの人生をライフシフトするための習慣術」をテーマにまとめたのが本書『ワーママはるのライフシフト習慣術』なのだという。親やビジネスパーソン、音声メディアのトップパーソナリティなど、複数の顔を持つ著者は、忙しい毎日の中でどのように時間を捻出し、どのように自分の人生をとらえ直したのか。その答えが、本書には余すところなく書かれている。

 これからの時代、多くの人にとって、仕事は人生の中心ではなくなっていく。子育てなどで働き方を変える必要性に迫られたビジネスパーソンは、定年を待たずして一足先にその考えにシフトできる点で、チャンスを得たことになると著者はいう。このタイミングで体得した時間の使い方や思考法は、一生ものになるはずだ。子育て中のワーキングマザーだけでなく、共働き家庭の男性や将来家庭を持ちたい人も、一読の上、これからの人生を考える機会としてほしい。(菅谷真帆子)