新型コロナウイルス感染拡大の影響に苦しまなかった数少ないスイスの腕時計ブランドは、投資するのが最も難しいブランドでもある。複数ブランドを扱う時計小売業者ウォッチズ・オブ・スイッツランドは今週、5月2日に終了した通期の売上高が13%増になったと発表した。コロナ危機下での同社の堅調ぶりには驚くばかりだ。ロンドンやニューヨークなど、事業を展開する主要都市からは、通常であれば高額な腕時計を買いあさる中国人観光客の姿が消えた。同社を救ったのは、とりわけ高価な「ロレックス」「パテック フィリップ」「オーデマ ピゲ」の三大ブランドに対する現地の需要だった。高級時計市場は全体的に見ればはるかに軟調だ。スイス時計産業連盟の統計によると、2021年1~5月のスイス時計の輸出額は、コロナ前の2019年の同期間を3%下回った。3000スイスフラン(約36万円)以上の価格帯の時計は、輸出額がコロナ前の水準までほぼ回復したが、200フランから500フランの価格帯の時計は40%減となった。
高級腕時計、投資家垂ぜんのブランドは未上場
ロレックスやパテック フィリップはコロナ下でも好調
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