スポーツか路上のケンカか…Breaking Downが再びブームに火をつけた「格闘技20年の栄枯盛衰」写真はイメージです Photo: PIXTA

格闘技を知らない人でも「Breaking Down」の名称だけはなんとなく聞いたことがあるのではないか。格闘技ブームは何度かの盛り上がりと衰退を繰り返し、今また新規のファンを獲得しているように見える。2000年代からこれまで約20年にわたる格闘技ブームの栄枯盛衰は、今どのような局面を迎えているのか。(フリーライター 武藤弘樹)

格闘技ブームが再燃する昨今

 7月27日にさいたまスーパーアリーナで格闘技イベント「超RIZIN.4」が催され、その日は関連ワードがXでトレンド入りした。正式名は「超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り」というなんともムンムンしたものである。

 入場者数は4万4000人弱と、同大会での最多入場者数・4万8000人超を記録した前回の「超RIZIN.3」には及ばなかったものの、今の日本でもっとも勢いのある格闘技イベントのひとつといっていいであろう。2022年の第1回目大会は入場者数が2万3000人超だったから、その躍進ぶりがうかがえる。単純に動員数だけで格闘技の人気は測れるものでないが指標として参考になる。

 また、テレビと格闘技が全盛の時代は視聴率も人気を測る重要なバロメーターであった。大みそかに瞬間最高視聴率で初めて民放が紅白を上回ったとされる「K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!」の「曙 vs. ボブ・サップ」は43.0%で、伝説として語り継がれている1976年「猪木 vs. アリ」は瞬間最高視聴率54.9%だそうである。

 近年の格闘技はABEMAやスカパー!で放送されていて、超RIZINのような最近のイベントならPPV(チケットを買って試合の配信を視聴)の盛り上がりも注目される。時代が変われば観戦・視聴方法も違うので単純な比較はできないものの、どの時代にもそのときどきで注目されている人気の格闘技イベントがあった。