「ミーム銘柄」の可能性を心底信じている人は、手をたたこう。心理学者のフランク・ダーギンは20年前、人々が存在すると思う場合にのみ存在する物事を「ティンカーベル効果」という言葉で表現した。戯曲ピーターパンで、妖精のティンカーベルを信じるなら拍手しようと、観客に聞く場面があることに由来する。まるで拍手でティンカーベルがよみがえるかのように。チューリップからドットコム銘柄、暗号資産(仮想通貨)のドージコインに至るまで、金融の世界でも多くの物事に同様のことが言える。信じる人が多ければ、無価値かもしれない物の価値も高まる。熱狂的な個人投資家によって空高く舞い上がったミーム株企業の中には、信仰の少なくとも一部を本質的価値に変えるというウォール街の伝統を理解したものもある。