『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏が「著者の知識が圧倒的」、独立研究者の山口周氏も「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら
[質問]
人一倍努力が苦手で、試験勉強であれ趣味であれまったく続かず困っています。どうしたら努力ができるようになれますか。
「努力」という言葉を使う限り、何も続かないと思います
[読書猿の回答]
「努力」とは、事情をよく知らない第三者が他人が出した成果を評価する場合に用いるきまり文句であり、当事者が使うものではありません。なので、何かを「努力」と呼ぶ限り、あなたは失敗するでしょう。
何かをちゃんと行うためには、「努力」などという曖昧な言葉で考えるのではなく、もっと具体的に目的と目標を定め、具体的な手順に落とし込み、それらを一つずつ実行する必要があります。
自分のなすべきことを「努力」を呼んで平気で居られる人は、自分が何をすればいいのかよく分かっていないか、分からない振りをしているのだと思います。
具体的な行動をはじめるには、例えば次のようにします。
1.最終的にどうなったらよいのか、理想のゴールを想像する。
2.現状をかえりみて、理想とのギャップを明確にする
3.ギャップを埋める方法をいくつか考える
4.そのうちの一つを選び、必要な作業量をできるたけ小さく分割して、そのひとつをやってみる。