ハイテク大手の買収熱、中国政府がブレーキPhoto:Barcroft Media/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 中国の独占禁止法による取り締まりが意味するのは、ハイテク企業の既存事業への監視強化だけではない。小規模な企業であっても、M&A(合併・買収)に対して一段と当局の視線が向かうことになるだろう。

 中国政府がここ1週間で下した二つの決定は、買収意欲の盛んな中国の電子商取引大手アリババグループやインターネットサービス大手、テンセントホールディングスの先行きが険しいものであることを示しているかもしれない。

 中国の独禁当局は10日、ゲームのライブストリーミング・プラットフォーム「虎牙」と「闘魚」の合併を阻止した。テンセントは両社の筆頭株主だ。インターネットプラットフォームの合併案件が同国の独禁法に基づいて阻止されたのはこれが初めて。ゲームのライブストリーミング市場で両プラットフォームは合わせてシェア7割を占める。

 規制当局にとって重要な点が一つある。テンセントは、これよりはるかに規模の大きいオンラインゲーム市場でも首位に立っている。両市場におけるテンセントの優位性は、統合された「虎牙・闘魚」プラットフォームを使って自社ゲームを宣伝し、競合他社のゲームを排除することを可能にしたかもしれない。