半導体Photo:PIXTA

緊急事態宣言などで個人消費は
1.6兆円ほど押し下げられた

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためのまん延防止等重点措置、緊急事態宣言が続いており、経済活動への負の影響が引き続き懸念されている。現在は東京、沖縄に緊急事態宣言が発令されているほか、大阪、埼玉、神奈川、千葉の4府県でまん延防止等重点措置が適用されており、ともに期限は8月22日となっている。

 今回の重点措置・宣言下での個人消費を確認してみよう。消費全体の動きを示す消費総合指数は、4月に前月比で0.4%低下し、5月はさらに同1.9%低下した。GDP統計での個人消費額や消費総合指数の動きから推計すると、4月の消費額は発令前の3月から1000億円強、減少しており、5月は同じく3月比で6000億円弱、下押しされている。

 消費は4、5月あわせて7000億円弱押し下げられたことになるが、その後の対象地域の変更などを勘案して消費下押し額を推計すると、8月22日までで1.6兆円程度となる。これは、4-6月期のGDPを0.8%押し下げ、7-9月期には0.4%下押しすることになる。