北國銀がクラウドシステムで目指す
「地域金融エコシステム構想」
北陸3県を地盤とする北國銀行が5月に実施した勘定系システムのクラウド化と、今後順次進めていくサブシステムのクラウド化は、他の地域金融機関にとっても、これまでにない大きな変革に踏み切る絶好のチャンスとなるかもしれない。
北國銀行は、ある構想を温めている。「地域金融エコシステム構想」だ。顧客起点の戦略や地域への貢献という価値観を共有する金融機関に、北國銀行が開発したクラウドシステムを提供することで、上下関係のない新しい協力関係の構築を目指しているのだ。
関係者によれば、いくつかの地方銀行がこのクラウドシステムへの移行に関心を示しているという。
北國銀行のクラウドシステムをパッケージにして提供するイメージだが、それで各行が得られるメリットはシステムの初期開発コストの削減だけではない。この点が、これまで地銀業界で進められてきた「システム共同開発」とは一線を画すところだ。
北國銀行が描く地域金融エコシステム構想の真のメリットとは何か。これまでのシステム共同開発と何が違うのか。