世界中の投資家が米国の金融資産にマネーをつぎ込んでいる。そこには、世界最大の経済国である米国が、諸外国よりも有利な状況で新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を乗り切る態勢を整えたことへの信頼感が表れている。リフィニティブ・リッパーがまとめたデータによると、世界の投資家は今年上半期に、米国のミューチュアルファンドおよび上場投資信託(ETF)に純額ベースで9000億ドル(約99兆円)余りの資金を投じた。1992年以降のデータでは最高記録であり、今年1月~6月に投資家が世界の他地域のファンドに投じた合計金額を上回っている。この資金流入を支えにして、米国株は記録的高値に押し上げられ、欧州やアジアの主要株価指数を上回る好調ぶりを示している。S&P500種株価指数が年初来で17%余り上昇し、史上最高値を更新したのに対し、ドイツのDAX指数は14%高、上海総合指数は2.2%高にとどまり、日経平均株価はほぼ横ばいとなっている。