コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、4~6月度の旅行編だ。
HIS、近ツー…コロナ2年目で取扱高増加率が超反動増
惨状続く実態値を解明
旅行の主要3社が発表した4~6月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯HIS(エイチ・アイ・エス)の旅行総取扱高
4月度:前年同月比16.4%(83.6%減)
5月度:同312.4%(212.4%増)
6月度:同182.8%(82.8%増)
◯近畿日本ツーリスト(KNT-CT ホールディングス〈HD〉)の取扱額実績
4月度:前年同月比164.1%(64.1%増)
5月度:同467.1%(367.1%増)
6月度:同458.2%(358.2%増)
◯阪急交通社(阪急阪神ホールディングス〈HD〉)の総取扱高
4月度:前年同月比35.7%(64.3%減)
5月度:前年同月の値がマイナスのため算出できないことから、前年同月比の数字は掲載なし
6月度:前年同月の値がマイナスのため算出できないことから、前年同月比の数字は掲載なし
6月において、各社は前年実績を大幅に超えた。HISは前年同月比182.8%(82.8%増)と、前年実績の1.8倍以上。近畿日本ツーリストは同458.2%(358.2%増)と、前年実績の4.5倍以上の実績だった。しかし、これは昨年の反動増の影響が大きく、旅行業界を取り巻く環境は依然として厳しい。次ページでは、各社の惨状が分かる実態値を確認しよう。