インテリア・デザイン・サービスをオンラインで提供している米新興企業ヘブンリーは、ハイテク人材の獲得競争で報酬についてはシリコンバレーの大手企業にかなわないが、かつて有効な武器を持っていた。ロッキー山脈だ。150人の従業員を擁する同社は、コロラド州デンバーのアウトドアを楽しめるライフスタイルを利用し、物価の高い場所から人材を引きつけていた。しかし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けて大手ハイテク企業が勤務地を問わない方針を打ち出して以来、その優位性を急速に失いつつある。ソフトウエアエンジニアやマーケティング担当者が、フェイスブックやセールスフォース・ドット・コムなどから多額の報酬を得つつ、海辺のキャビンで仕事ができるようになった今、西海岸や東海岸から遠く離れた中小企業は危機感を募らせている。