中国の新型コロナウイルス対策はここ1年、おおむね感染抑制に成功していたが、感染力の強いデルタ株が国内で急速に広がる中、新たな試練に直面している。少なくとも200人が感染した集団感染は、世界的に見れば小規模だ。だが、7月20日に中国東部の人口930万人の都市、南京市の空港清掃員9人を対象とした定期検査で初めて検出されて以来、感染は瞬く間に広がり、16省の少なくとも26都市に飛び火している。今回の集団感染では、無症状か、症状が非常に軽い人から急速に感染が広がっている。これは、1年以上にわたって国境を厳格に管理し、国内で集団検査や隔離を徹底してきた中国に難題を突きつけるものだ。多くの感染者は、接触追跡や集団検査が行われるまで、何日も発見されずにいた。