タリバンの戦闘員らアフガンの首都カブールに進攻するタリバンの戦闘員ら(15日) Photo:Victor J. Blue for The Wall Street Journal

 米情報当局は6月下旬、アシュラフ・ガニ大統領率いるアフガニスタン政権が、早ければ米軍撤退の6カ月後に崩壊する可能性があるという厳しい予想を発表した。

 しかし反政府勢力タリバンが幾つもの州をまたたく間に支配下に収めたことで、ガニ政権崩壊までの猶予期間の予想は修正され、先週の段階でわずか1カ月に縮まった。そして15日には、タリバンの戦闘員らが首都カブールに進攻し、ガニ氏は国外に退避した

 米バイデン政権の当局者らはここ数日、タリバンがこれほど急速にアフガン全土に展開し次々と州都を攻略していったことに、公式および非公式な場で驚きを示している。その間、アフガン政府軍はほとんど抵抗姿勢を示さなかった。

 米当局者の一人は、アフガン政府の急激な崩壊について、情報当局が読みを誤っただけだとの見方を否定。読み違えた背景には、バイデン政権による米軍撤退のスピードや軍事請負企業も米軍とともに撤退したという事実など、多くの要因があると指摘している。