銅価格の期間構造は
中国経済を映す鏡

 中国政府がバブル抑制の方針を堅持することで、中国の一部の大企業、中堅企業のデフォルト率も上昇、融資元の銀行の信用リスクも高まっている。いくつかの大手企業の国有化を進めるなど、中国政府は、経済政策「改革開放」から逆行するような政策を取らざるを得なくなっている。

 中国の歴史を振り返ると、多くの場合は外敵の侵入によるものではなく、内部崩壊によって政権が交代している。景気減速は中国人民からの信任が低下することから、バブル抑制が必要な状況においても、銀行の預金準備率の引き下げなどの対策で資金繰りを支援して企業救済をしなければならなくなっている。

 銅価格の期間構造は、7月中旬から再びコンタンゴ幅を縮小し、バックワーデーションへの圧力を高めている状況だ。これに加えて、メディアで連日騒がれているように脱炭素に向けて電化が進む中で、銅の需要が増加し、宣言通り米国や欧州もITインフラへの投資を進めた場合、銅価格はいったん下落後、再び上昇する展開がメインシナリオだ。

 ただし、中国政府が景気刺激のための金融緩和やその他の経済対策を実施した場合、銅価格が下落することなくさらに水準を切り上げ、その後急落するシナリオも想定しておく必要がある。

 依然として中国は世界1位の銅消費国であり、銅価格の期間構造は中国の経済動向を映す鏡でもある。中国の国内動向を占う上では、銅価格の絶対水準が重要であることは間違いない。それと同時に銅価格の期間構造、タイムスプレッドにも注目する必要があるだろう。

(マーケット・リスク・アドバイザリー代表 新村直弘)

TOP