中国の経済対策で
銅需要が増加
銅価格は景気の動向を占う上での判断材料となるため「ドクター・カッパー」といわれている。なぜ景気の動向を占う指標になるかというと、機械には必ずといっていいほど使われる銅線に用いられるため、需要動向が経済活動を反映しやすいためである。そのため、銅価格が上昇すると景気が回復し、下落すると減速していると判断するわけだ。
なお、この15年で中国の銅消費シェアが高まったことから、銅は世界景気というよりは中国の経済動向を反映する指標になってきたとする方がより適切かもしれない。
ではその中国の需要動向はどうか。
ニュースを見ていると、中国の銅需要は堅調に推移していると考えられる。中国の景気は新型コロナウイルス感染の拡大防止のためのロックダウンによって減速、それをテコ入れするために大規模な経済対策が打たれた。
銅は主に銅線に用いられるが、今回の中国の経済対策は5GやEVなどの投資に加え、内陸部向けの投資が行われると予想される。また、国家予算で投資を行うため、「堅い」需要になる可能性は高い。
では実際に中国の需要が増加したかどうかを確認する方法はあるのか。