米債券市場の主要スプレッドは、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策見通しに投資家が自信を深めていることを示している。来週にはカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が予定されているが、足元のパターンが崩れる可能性は低そうだ。米5年債と30年債の利回り差はここ2カ月近く、1.2ポイント弱の水準でほぼ一定している。これはウォール街で「5-30スプレッド」と呼ばれ、6月15~16日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)を受けて1.4ポイント程度から大きく低下した。5-30スプレッドが注目されるのは、目先の金融政策が長期の経済見通しにどう影響を及ぼすのか、市場関係者の予想を反映するためだ。景気拡大局面の初期には、金融緩和策が成長とインフレを押し上げるとの見方から、スプレッドは拡大する傾向にある。反対に、FRBが景気を冷やすために利上げすれば、スプレッドは通常、縮小する。