米大統領候補だった当時のジョー・バイデン氏が、米国は「世界から尊敬されるリーダーを必要としている」と語ったことを覚えているだろうか。バイデン大統領自身は、それを忘れてしまったようだ。アフガニスタンからの米軍撤退をめぐる失態に起因する多くの悪影響のうち、最も深刻なのは、米国と同盟諸国、特に欧州の同盟諸国との関係が損なわれたことだ。アフガン戦争は北大西洋条約機構(NATO)の作戦だった。そしてNATOに加盟している米国の同盟諸国は、この戦争に多くの血と資源を注ぎ込んできた。こうした貢献の中には、20年間にわたってアフガンに派遣された何万人もの兵士の活動と、その中で生じた1100人以上の死者、軍事作戦と国家再建の取り組みに投じられた何十億ドルもの資金が含まれている。