子どもの「性の目覚め」に気づいたとき、親が絶対にしてはいけないこと写真はイメージです Photo:PIXTA

マスターベーションは必要悪?
浮気なの?

 女性の中には、「私の夫(彼)、1人エッチしてるくせに、私とはもう半年もしてない!」「エロビデオやエロ動画を見てオナニーって、浮気じゃないの?」と言う人がいる。

 妻とのセックスはできないが、マスターベーションはできるという男性の話も時々耳にする。

 1人エッチ・オナニー・自慰など、さまざまな言い方があるが、そもそもマスターベーションとは何なのだろうか?

 辞書を引くと、「自涜」「手淫」とある。読んで字のごとく、「自らを涜(けが)す」「手で淫なことをする」という意味だが、表現が強烈で生々しい割にはよく意味がわからない。

 そこで、昨年出版された『おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方』(KADOKAWA)の著者の一人である村瀬幸浩氏に聞いた。

「マスターベーションや自慰、オナニーなどと呼ばれるこの行為は、特に男子にとって、『やむを得ない行為だが、しすぎない方がいい』など、『必要悪』のように考えられています。自慰という言葉は、マスターベーションよりは優しい言い方ですが、そこにも、ある種の後ろめたさや陰の行為としての暗い印象がつきまとっているように感じます。そこで私はこの行為に、『セルフプレジャー』と名付けました」

 村瀬氏は、長年性教育を教えてきた立場から、「この性行為を肯定的に捉えるべきだ」という考えに至った。セルフプレジャーは、「自体愛」と訳し、相手のある性行為を「相互愛」と考えることで、その行為の意味がより明確になる。

「性の相手がいないから仕方なく1人でするのではなく、相手がいようがいまいが、自分の性的欲求を自分で解消するのは重要なこと。いわば体と心のケアのための、自己管理行為として位置付けるのです」