アフガニスタンの首都カブールが15日に陥落して以降、ジョー・バイデン米大統領に対し、米国の世界的地位を低下させ、イスラム主義組織タリバンとそのパートナーの国際テロ組織アルカイダを勢いづけ、同盟国の不信感を招き、米国に命をかけて協力したアフガン人を見捨てたという批判が巻き起こっている。不器用な米国のアフガン撤退が招く結果としてもう一つ可能性が高いのは、パキスタンをつけあがらせることだ。タリバンと友好関係にあるパキスタンの軍司令官や多くのイスラム過激派組織は、自分たちに風が吹き始めたと感じている。パキスタンは公式声明の中で、アフガン情勢の平和的解決を支持すると述べた。だがもしタリバンの勝利を偽らざる歓喜のうちに迎えた首都が世界に一つあるとすれば、それはイスラマバードだ。同国のイムラン・カーン首相は16日、アフガンの国民は「奴隷の足かせを解いた」と称賛した。ソーシャルメディアでは、退役した軍幹部をはじめとするタリバン支援者が「イスラムの勝利」を祝った。敗走したアフガン政府は自国をアフガニスタン・イスラム共和国と呼んでいたにもかかわらず、だ。
【オピニオン】アフガニスタンより50倍危険な国
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