ファイザーが数十億回分の新型コロナウイルスワクチンを供給できるかは地球の反対側でそれぞれ働く2人の社員にかかっている。エイミー・ジェネスト氏は米マサチューセッツ州アンドーバーの自宅からファイザーのワクチンを製造できる企業を探す。提携先が見つかると、今度はインド・ガンディナガル在住のプーナン・ムルヘルカー氏の出番だ。ムルヘルカー氏はエンジニアで、ワクチンの設計図と製造に関する極秘事項の移転を仕切っている。各国がワクチン不足を克服できるか、ひいては世界的なワクチン接種運動が加速するかは、この2人の女性を含む製薬業界の精鋭グループが鍵を握っているのかもしれない。ファイザーなどのワクチンメーカーは大幅増産に入っているが、自社工場で生産できる量には限りがある。ジェネスト氏とムルヘルカー氏はファイザーのワクチンの委託生産を可能にする特別な技術を持つ数少ない専門家だ。