中古物件の購入には、物件探しからリフォーム、住宅ローンの手続き……といった、いくつものプロセスが必要になる。こうした複数のプロセスの窓口を「一本化します」と、最近は「ワンストップ」をうたい文句にした不動産業者が急増中だ。どこまでが「ワンストップ」なのか、同サービスを提供する業者選びのポイントを考えてみたい。
勢いを増している中古の
ワンストップ・サービス
2012年11月1日、横浜三井ビルディングに、「三井のすまいモール」が誕生した。三井不動産グループにとっては、12年4月にオープンした東京・目黒駅前店に続く2号店となる。
これは、三井不動産レジデンシャル(新築分譲)、三井不動産リアルティ(仲介)、三井ホーム(注文住宅)、三井不動産リフォーム(リフォーム)、レジデントファースト(賃貸)という三井不動産グループ5社の機能を、1店に集結させたもの。各社のサービスを連携し、総合的にサポートできるよう、相談窓口が設置してある。
ここでは、住んでいた家の売却や中古物件探し、リフォームといったさまざまな不動産に関する相談に、1人の担当者がすべて応えてくれるコンシェルジュサービスを提供する。三井不動産グループの強みである総合力を、より強力に推進することが狙いだ。
「三井のすまいモール」オープンと合わせ、メンバーシップサービス「三井のすまいLOOP」もスタート。これは、同グループが提供したマンション・戸建て・賃貸などの住宅居住者を対象に、掃除や家具の移動などの暮らしにまつわるサービスをワンコイン(500円)で提供するもの。利用すればポイントがたまり、ためたポイントは、三井アウトレットパークやホテル・レストラン等での割引などに使える。
さらに、三井住友カードと提携し、ゴールドカードの付帯サービスが利用可能な「三井のすまいLOOP VISAカード」の発行も行っている。
このようなサービスの拡充に取り組んでいるのは、同グループだけではない。提供するサービスの幅を広げることで、他社との差別化を図るとともに、不動産に関連するさまざまなニーズを囲い込む動きが、今、各方面で加速している。