ひろゆきが「投資の向き・不向き」を見極める、すごい質問ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、さまざまなメディアで大活躍中のひろゆき氏。全国のベストセラーランキングで続々と1位を獲得し、34万部を突破した著書1%の努力』では、その考え方について深く掘り下げ、人生のターニングポイントでどのような判断をして今のポジションを築き上げてきたのかを明らかに語った。
この記事では、ひろゆき氏に気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

まずは「心のゆとり」から

 投資がブームです。10万円や20万円の元手に、FIRE(早期リタイア)を狙うような人も増えています。でも、そういう人は、カモになるだけです。投資するからには、ある程度の元手がないと、レバレッジが効いてきませんからね。

 投資をするなら、まずは1000万円のお金を貯めてください。それまでは、資産運用に時間をかけずに、ひたすら貯めたほうがよいでしょう。

 元手の少ない状態は、心も不安定なことがほとんどです。少しの増減で、気持ちが高ぶったり、不安になったりします。そうなるくらいなら、最初からやらないほうが近道です。

 貯金額は、「心のゆとり」です。正しい判断をするためにも、ある程度の資金は必要です。その効果が現れるのが、だいたい1000万円くらいからです。

投資のためのスタート地点

 貯金をするときに気をつけるのは、贅沢を覚えないことです。最初は300円の牛丼で満足していたのが、1000円のランチに変わったり、3000円のコースランチに変わったりするような人が、本当に多くいます。

 満足度は、どんどんマヒしていっちゃうんですね。300円から3000円まで、10倍の金額になっていますが、10倍の満足は得られません。せいぜい、数%あがるくらいの感覚でしょう。

 自分の中で最低限の満足が得られるレベルを把握して、あとはそれを維持させることです。年収に応じて生活レベルをあげてしまわないことがポイントです。残りはすべて貯金に回してみる。そうして数年を過ごせば、1000万円は余裕で貯まりますから。

「投資」より「寄付」?
これが、究極の質問だ。

 さて、1000万円を貯めたら、質問です。

 あなたは「寄付」ができますか?

 これは、本当にあなたの中に「心のゆとり」があるかどうかを試す試練となるでしょう。

 1万円~10万円の額を寄付できますか? 何に寄付しますか? 誰に寄付するのなら納得しますか?

 ぜひ、考えてみてください。

 そして、それくらいの額の寄付ができないのなら、投資はいさぎよく諦めてください。向いていません(笑)。

 投資とは、あなたのお金を第三者を信用して預ける行為です。返ってこないリスクもあります。そうであるなら、最初から返ってこないけど納得できるような使い方を覚えておくことが大事です。

 それを試す第一歩が、「寄付」なのです。寄付は、他人のためにお金を使う行為ですが、ちゃんと幸福感を得ることはできます。「いいことをした」という満足感が残りますから。

 その気持ちがわからず、自分だけ得して逃げ切ろうとする人は、投資しないほうが幸せです。一生、貯金をし続けておいたほうがマシでしょう。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、34万部を突破した『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。