米国の支援を受けてきたアフガニスタン政府が8月15日に崩壊した。中国政府は、国際舞台での宿敵米国の屈辱的失態に喜びを隠せなかった。 しかし、この崩壊の大きな理由は、米国が中国に資源を集中させたことにあった。中国外務省の華春瑩報道局長は、アフガンのサッカー選手ザキ・アンワリさん(17)が、カブール空港を離陸する米軍のC-17輸送機の着陸装置にしがみついて振り落とされ死亡したことを取り上げ、「米国の神話は地に落ちた」と指摘。「そのことに気付く人々がどんどん増えている」と語った。ロシアの国営メディアも、米国の失態を喜ぶ報道であふれた。ただし、統治基盤のぜい弱な中央アジアの友好諸国にアフガンの混乱が波及するのではないかとの懸念が、その喜びに水を差す材料になっている。ロシアの国営ニュース放送局RTのマルガリータ・シモニャン編集長は「この出来事の教訓は、米国を助けてはならないということだ。米国は助けてくれた国と仲良くした後、その国を見捨てる」とツイートした。
米軍アフガン撤退 変わる世界のパワーバランス
撤退で中露が単純に喜べない事情とは
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