「サプライチェーン(供給網)の問題」がインフレ率を上昇させているという話を聞いたことがあるだろう。それはつまり、商品への需要が企業の供給能力を上回っているということだ。しかし、まずい通商政策がビール6缶パック値上がりの一因だということもできる。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が収束に向かい経済が回復する中で、ほとんどすべてのコモディティー(商品)価格が上昇した。しかしその中でも特に自動車、機械から缶入り飲料まで多くの製品向けの需要増を背景としたアルミ価格の急上昇が目立っている。ロンドン金属取引所(LME)のアルミ相場は今週、10年ぶりの高値を付けた。労働統計局の生産者物価指数で見ると、2012~2020年はほぼ横ばいだったアルミウム鋳物の価格は、昨年には10%も急上昇し、統計開始以来の最高水準となった。アルミスクラップを原料とする再生アルミの価格は、昨年50%上昇し、10年ぶりの高値を付けた。