蒸留酒の売り上げは依然、「家飲み」にけん引されているが、投資家は次の展開について考える必要がある。新型コロナウイルスのパンデミックの勢いが鈍化する中、フランスの酒類大手ペルノ・リカールが好調だ。アイリッシュウイスキー「ジェムソン」、ウオッカ「アブソルート」などを製造するペルノ・リカールが1日発表した2021年6月期決算では、通期売上高が恒常為替レートで前年比10%増となった。空港など旅行関連拠点でのアルコール販売が低調にもかかわらず、ペルノの総売上高と営業利益はコロナ危機前の水準に戻っている。ペルノにとって最大の市場かつ業界最大の収益源である米国での売上高は16%増。UBSによると、英同業ディアジオの米蒸留酒事業の同期間の伸び(24%増)を下回る。ペルノは、ロンドンに本社を置くこの競合大手よりもバーやレストランでの酒類販売が多いため、こうした店の休業の影響を強く受ける。