対テロ戦争終結でも
残る暴力的過激組織の脅威
8月15日にアフガニスタンで反政府勢力だったタリバンが実権を握って以降、日本国内でもアフガニスタン情勢が毎日のようにメディアで取り上げられている。そして、8月末までに米軍が完全撤退したということで、今月11日でちょうど20年となる9.11テロから続く米国の対テロ戦争は終結したと報じられている。
対テロ戦争はエンドレスウォー(終わりのなき戦争)とも言われてきたが、それを唯一終わらせる現実的手段は米軍の撤退だった。よって、今のバイデン政権が完全撤退で対テロ戦争の終焉と言うのであれば、それに異議を申し出るつもりはない。
しかし、対テロ戦争は終わったとしてもアルカイダや「イスラム国」などの暴力的過激組織の脅威は依然として残っており、国際社会は引き続きこの問題に対処していくことになる。
アルカイダ(アフガニスタン)や「イスラム国」(イラク、シリア)を支持する組織・勢力はフィリピン、インドネシア、インド、バングラデシュ、イエメン、エジプト、アルジェリア、マリ、ナイジェリア、モザンビーク、ソマリアなど各地に点在しており、依然として欧米諸国やイスラム諸国政府などへの攻撃を呼び掛け、テロ活動を続けている。
そして、日本人は9.11テロからの20年間で断続的に巻き込まれる形でその被害に遭ってきた。