米金融街を覆う晩夏のなぎは、暗号資産(仮想通貨)ビットコインにまで眠気をもたらしている。ビットコイン価格は8月に入り上昇したが、5万ドルの節目で足踏み状態となった。1日には4万8279.42ドルで終え、2日の取引で一時5万ドルを超えたが程なく押し戻された。ビットコインはボラティリティー(変動性)の高さでよく知られる。1月から4月中旬までに倍余りに跳ね上がったが、その後の3カ月で約52%下落。7月から8月にかけては約65%持ち直した。ではいったい、足元でビットコインが一進一退を繰り返しているのはなぜか。理由の一つとして、投資家が暗号資産市場の別の一角に移動していることが挙げられる。資産運用会社コインシェアーズによると、イーサリアムに投資するファンドには8月、2240万ドルの資金が流入した。また、イーサリアムに似たブロックチェーン(分散型台帳)プラットフォームであるカルダノを専門とするファンドへの資金流入は1870万ドルに達した。イーサリアムは1日、10%高の3730ドルと、5月15日以来の高値をつけた。今年に入り価格は5倍に膨らんでいる。