気候変動問題こそが米国にとって安全保障面の最大の脅威だと宣言することが、進歩派の間で人気の行動になっている。世界最大の温室効果ガス排出国として群を抜いている中国の共産党は、こうした米国の状況を知っている。米国のこの誤った認識は、気候変動問題を中国政府の戦略的強みの主要な源泉に変えている。中国の王毅外相は9月1日、ジョン・ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)との(オンラインでの)会談の中で、この強みを活用した。ケリー氏は、中国の指導者らに化石燃料消費を削減するよう懇願するため、再び同国を訪問している。同会談に関する中国外務省の声明によると、王毅氏は「米側は気候変動問題での協力が、中米関係の『オアシス』になることを期待している」と指摘した。その一方で「気候変動問題での両国の協力と、中米関係全般の状況とを切り離すことはできない」と強調した。
【社説】対米交渉で気候問題カードを切る中国
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