――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  リチウムは、大半のコモディティー(商品)よりも「新しい石油」と呼ぶのにふさわしい。地政学上の問題を抱えている点から見てもそうだ。  電気自動車(EV)用バッテリーに用いるリチウム化合物の価格は今年に入り急上昇。中国を中心にEV販売が伸びていることが背景にある。ベンチマーク・ミネラルズによると、炭酸リチウムの8月の平均価格は1トン当たり1万4386ドル(約158万円)に達し、昨年12月の6124ドルから大きく上昇した。炭酸リチウムは電池製造に用いる2種類の主要化合物のうちの一つだ。