中国が最近、大富豪たちを敵対視していることに驚く人は少ないだろう。ましてや、共産党が権威主義的な支配を強化するための道具とみなしている起業家は驚くまい。少なくとも、巨額の駆け引きや党エリート層との取引について語る人脈豊かな投資家の結論はそうだ。この投資家は4年前に起こったビジネスパートナーである元妻の不可解な失踪事件を軸に回想をつづった。プライベートエクイティーの元幹部、デズモンド・シャム(沈棟、52)氏は10年以上にわたり、富豪の女性実業家、段偉紅氏と組み、北京で不動産やインフラプロジェクトを開発していた。段氏は党のエリートとコネがあり、そうしたコネには元首相の親族もいた。段氏(通称ホイットニー)が2017年に行方不明になる前に夫妻は離婚した。失踪事件が起きたのは、地域の党幹部に対する捜査が行われていた最中で、習近平国家主席が自らの権力に挑む恐れがある者を粛清するために捜査を実施したとみられている。それ以来、段氏は消息を絶ったままだ。
起業家は中国共産党の「消耗品」 告発本出版
人脈に通じた投資家の回想録、共産党と実業家の関係を詳述
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