イチローも辞退が濃厚
メジャー組は出場ゼロも

 来年3月の第3回WBCに向けて、野球日本代表「侍ジャパン」が始動した。

 山本浩二監督が率いる新チームのお披露目は世界ランク1位・キューバとの強化試合2試合で、日本は2-0、3―1と連勝の好スタートを切った。

 とはいえ、野球ファンには第1回や第2回に見られたような熱い期待感はない。メディアが報じているように、侍ジャパンの顔になるはずの日本人メジャーリーガーが揃って出場を辞退してしまう可能性が高いからだ。日本代表が参加要請していたのは6人。投手ではダルビッシュ有、黒田博樹、岩隈久志、野手ではイチロー、青木宣親、川崎宗則。このうちダルビッシュ、岩隈、青木、川崎からはすでに辞退の意志表示がされ、黒田も辞退が決定的だという。

 残るはイチローだ。イチローは第1回、第2回とも出場。第1回大会では全8試合でヒットを打つなど大活躍し、大会のベストナインにも選ばれた。第2回大会は今ひとつ調子が出なかったが、韓国との決勝戦で試合を決めるタイムリーを打つなど日本の連覇に貢献。侍ジャパンにはなくてはならない存在だ。

 しかし現在はヤンキースからFAとなり、来季の所属先が決まっていない状態(ヤンキース残留が濃厚といわれているが)。WBCに集中できる環境が整っていないうえ、39歳という年齢から考えても、オフはしっかり体のケアをしたいという思いがあるのだろう。そんな理由から辞退の可能性が高いといわれている。山本監督は大会直前の出場選手登録期限まで枠をひとつ残して待つ意向のようだが、この分では、日本人メジャーリーガーはひとりも出場しなくなりそうなのだ。

 もっとも参加辞退は今回に限ったことではない。第1回大会は松井秀喜、井口資仁、第2回大会は松井、斎藤隆、黒田博樹が辞退。またNPBからも和田一浩、岩瀬仁紀ら中日勢や阪神の新井貴浩などが参加を辞退した。

 これは日本に限らず、アメリカやMLBに多くの選手を送り込んでいる北中米諸国でもよくあることだ。