多くの国が独自のデジタル通貨発行へ急速に前進しているにもかかわらず、投資家は政府発行の電子マネーを巡る進展を無視してきた。投資家は二つのことを問うべきだ。連邦準備制度理事会(FRB)はデジタルドルを発行するだろうか? そして、それは最終的に物理的な紙幣に取って代わるのか?筆者はどちらの質問に対する答えも「イエス」だと思っている。これに同意する読者は、今のうちに将来の金融政策への影響を見極めようとしているはずだ。何しろ、30年物の米国債の償還期限が来るまでに劇的な変化が起こる可能性が高いのだから。デジタルドルの金融面の威力は、銀行券の廃止によってもたらされる。人々が物理的なお金をため込むことができなければ、ゼロを大きく下回る水準に金利を引き下げることが容易になる。だが、そうでなければ、マットレスの下にため込んだ紙幣のゼロ金利が魅力的に見えてしまう。金利がゼロを大幅に下回ることができれば、金融政策の力は格段に増し、デフレ対策に適したものとなる。
中銀デジタル通貨、マイナス金利の深掘りに道
タンス預金できなくなれば大幅なマイナス金利が容易に
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