コモディティー(商品)は高インフレ時に好まれるが、商品市場、特に銅や鉄鋼などの金属相場には異例とも言える歪みが生じている。需給だけでなく、中国の気候政策や世界貿易のボトルネックなどに左右される取引だと買い手は認識しておく必要がある。コモディティーは変動が激しく、投機的であることは既に知られているが、それにしても、通常ならほぼ連動しているさまざまな工業用金属の価格が、最近は大きな乖離をみせている。鉄鋼が大幅に上昇している一方で、その原料である鉄鉱石は下落。銅は、2020年終盤まで上昇していたが、今年5月以降は伸び悩み、アルミニウムは10年ぶり高値を更新し続けている。こうした状況を投資家はどう理解すればよいのだろうか。