これまでの19年間、毎年9月11日頃になると、私はあるふれるほどの感情に包まれてきた。それは、米国を攻撃したテロリストへの怒り、多くの罪なき人々の命が奪われたことへの悲しみ、あの日の攻撃に対処し、その後何年にもわたって米国を守り続けた米国人の勇気と気概への感謝の念といった感情だ。2001年9月11日の午前8時48分を過ぎた時だった。私のアシスタントとしてホワイトハウスを担当していたスーザン・ラルストン氏から、航空機がワールド・トレード・センターに突っ込んだという電話での報告を受けた。その航空機がジェット機なのかプロペラ機なのか、商業機なのか個人所有機なのかは、はっきりしなかった。私はフロリダ州サラソータのエマ・ブッカー小学校の外で、大統領を出迎えるための列まで歩いて行き、ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)にその情報を伝えた。その何分かあと、コンドリーザ・ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、同様の不確実な情報を大統領に電話で伝えた。大統領はその後、読み聞かせのため2年生のクラスへ入っていった。それは「どの子どもも置き去りにしない」という、大統領自身が打ち出した教育改革策の取り組みの一環だった。