米金融街の対決といったところか――。中国への投資を巡り、著名投資家のジョージ・ソロス氏がブラックロックのローレンス・フィンク最高経営責任者(CEO)と角を突き合わせている。世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、中国の個人を対象とした投資信託のために約10億ドル(約1100億円)を調達した。同社は中国でのこうした動きを許可された最初で唯一の外資系企業だ。間もなく他の企業も後に続くかもしれない。中国では中産階級が成長し、外資系の投資運用会社にほとんど未開拓の機会をもたらしている。ブラックロックの社内シンクタンクも8月、世界の投資家に中国へのエクスポージャーを増やすよう推奨していた。2020年に米国と結んだ貿易協定の一環として、中国は金融業界の開放を進めている。今年になって、JPモルガンは中国で証券事業を完全子会社化する許可を得た。外資系証券会社はこれまで、合弁事業を通して営業しなければならなかった。