2001年9月10日月曜日の午後、カレン・リン・シーモアさん(40)は上司に翌朝のカンファレンスに出席したいと伝えた。ロンドンに本社を置く債券取引仲介会社ICAPの米国子会社でテクノロジーの専門家として働くシーモアさんは、それが自分のキャリアに役立つと考えていた。上司のクリス・フェレーリさんは、そのイベントにはあまり興味がないと言った。カンファレンスは、ニューヨークのワールドトレードセンター(WTC)のノースタワー106階にあるレストラン「ウィンドウズ・オン・ザ・ワールド」で開催される予定だった。翌日の早朝、シーモアさんは3歳半の双子を置いてカンファレンスに向かった。フェレーリさんは、ノースタワー25階にあるICAPのオフィスに残っていた。数分後、テロリストに乗っ取られた飛行機がWTCに突っ込んだ。シーモアさんの消息は途絶えた。数時間後、フェレーリさんはスタテン島の自宅に無事にたどり着いていた。