2001年9月11日の米同時多発テロで親を失った子どもたちは3000人近くに上る。いま20歳前後から30代の年齢を迎えた彼らがこれまでの体験を語った。夜になると突然目覚めて泣き叫んだ幼少期や、親を失った苦悩(親に会えなかった人もいる)、歴史に残る惨劇の被害者として常に見られる精神的負担などだ。また、彼らが誇りに思っていることも語られた。苦境から立ち直る力(レジリエンス)やきょうだいとの固い絆、残された親が成し遂げた偉業などだ。彼らは新たに縁を結んだ家族やキャリアを受け入れている。そして多くが、もし今の自分を亡くなった親が見たらどう思うだろうかとよく考えると話す。親を失った子どもたちの数は正式には把握できていない。2005年に故クロード・ケムトブ氏(当時、マウントサイナイ医科大学精神医学科の研究者だった)主導で行われた調査によると、同時多発テロの遺児(18歳未満)は2752人おり、ほとんどがニューヨーク州かニュージャージー州在住だった。平均年齢は8歳弱。亡くした親の約86%が父親だった。
9.11の遺児たち 悲しみと立ち直る力
ある調査によると親を亡くした子どもの平均年齢は8歳弱だった
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