安倍晋三氏と菅義偉氏4人の候補のマクロ経済運営や経済政策は、大きく分けると「アベノミクス」を継承するのか、違う路線を進むのかで分かれる Photo:Pool/gettyimages

自民総裁選スタート
政策期待で株価上昇

 17日に告示された自民党総裁選は、河野太郎・行革担当相、岸田文雄・前政調会長、高市早苗・前総務相、野田聖子・幹事長代行の4氏が立候補した。

 今回の総裁選は、直後に衆院選を控えていることから、各派閥の中でも支持が分かれており、予断の許さない展開になりそうだが、4人の候補のマクロ経済運営や経済政策は、大きく分けると「アベノミクス」を継承するのか、違う路線を進むのかで分かれる。

 菅首相の不出馬で、次期衆院選での「自民党大敗リスク」が後退したことなどから株価は大きく上昇しているが、今後は4氏の経済政策が市場にどう評価されるのか、が株価上昇のポイントになるだろう。

岸田氏の「令和版所得倍増」
中間層への分配を意識

 いち早く総裁選への出馬を表明した岸田氏の経済政策は「新しい日本型資本主義」と銘打ち、新自由主義からの転換を掲げたものだ。

 当面のマクロ経済運営の3原則として、「デフレ脱却に向けアベノミクス三本の矢を堅持」「コロナ禍への万全な対応のため財政積極活用」「経済正常化を目指しつつ財政健全化の旗を堅持」としている。