総選挙意識し内輪の論理
「国民受けする顔」最優先
菅義偉首相の突然の「出馬見送り」で急展開の自民党総裁選はこれまでに、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、河野太郎行革担当相の3氏に加えて、野田聖子幹事長代行が16日、立候補の意向を表明し4人が争う構図だ。
にわかに活性化した感のある自民党だが、衆院選が近い中で、見栄えがよくて、口先がうまい、国民受けする「選挙の顔」として誰を選ぶかが最重視されているのが内実だ。
首相の「顔」を変えることで新政権への期待をあおり、野党を埋没させて政権維持をというのが、自民党の多くの議員たちの思惑だろう。
だが、発足当初、高い支持率だった菅政権がわずか1年で終焉に追い込まれた失敗の検証や政策論争はそっちのけでいいはずがない。
総裁選で議論すべきことはいくつもある。