3位は七十七銀行(宮城県)で、平均年収702.3万円だった。東北では最大手の地銀で、単体従業員数は2638人となっている。

 4位にも同じく銀行業界からフィデアホールディングス(宮城県)がランクインした。同社の傘下には、山形県に本店を持つ荘内銀行と、秋田県に本店を持つ北都銀行の2行がある。

 また、フィデアホールディングスは今年7月、東北銀行(岩手県)と22年10月に経営統合する方針で基本合意したと発表した。ちなみに東北銀行の平均年収は518.5万円で、35位にランクインしている。

 5位は平均年収686.5万円でユアテック(宮城県)。東北電力系の電気工事会社だ。単体従業員数は3747人と、トップ5企業では東北電力に次ぐ従業員数の多さを誇る。

平均年収600万円超
17社中8社が銀行

 上記の5社を含め、平均年収が600万円を超えた会社は17社だった。最後に、この17社について傾向を確認しておこう。

 まず業種別に集計すると、最も多かったのは銀行で8社だった。3位の七十七銀行、4位のフィデアホールディングスのほか、北海道の北洋銀行(8位/657.4万円)、岩手銀行(11位/637.7万円)などの地銀が名を連ねた。

 銀行以外では、建設業界が3社、電気・ガス、小売業がそれぞれ2社、陸運、鉄鋼が1社ずつという内訳だった。

 また道県別に見ると、最も多かったのは北海道で7社。2位の北海道電力のほか、電気工事会社の北弘電社(6位/675.2万円)、全国チェーンのドラッグストアを展開するアインホールディングス(9位/652.7万円)などが含まれる。次いで宮城県が4社、青森県が2社、岩手県、福島県、山形県、秋田県が1社ずつとなった。

 長引くコロナ禍の終息が見えない中で、観光業や飲食業は引き続き大きな打撃を受けている。こうした中で安定した給与を誇る地元の高年収企業は、引き続き雇用力を維持できるのか。北海道・東北地方経済の未来を左右する重要な要素だといえる。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)